【注文住宅】間取りの失敗例から学ぶ! 後悔しない玄関周り設計のコツ

住まいの顔とも言える、玄関。注文住宅を建てるにあたり、玄関周辺のデザイン・テイストに注力するのも大切ですが、同じくらい間取りプランニングも重要です。間取り設計を疎かにしてしまうと、雑然と散らかった玄関、あるいは玄関から各部屋へアクセスしにくい注文住宅になりかねません。

今回は、玄関周りの間取りプランニングにおける失敗例をご紹介。後悔しないための、間取り改善案もあわせて解説致します。

1.【注文住宅の間取り】玄関周りの失敗&後悔6選

注文住宅で人気の、パントリーやファミリークローゼットを備えたこちらの間取り。一見、充実した生活が望めそうですが、暮らしてみると意外な落とし穴にはまることに……! 失敗談や後悔の声をもとに、解説致します。

玄関周りの間取り、失敗・後悔ポイント①土間部分が狭い

靴のまま出入り可能な空間となる、土間。こちらの注文住宅間取りでは、かなりコンパクトに設計されているため、2人以上で土間に立つと窮屈に感じてしまいかねません。お子さんが小さい時期は、手狭な玄関で押し合いへし合いになってしまう恐れも!

玄関周りの間取り、失敗・後悔ポイント②窓が無くて暗い

「玄関ドアに窓がついてるから、採光は問題なし!」と、シンプルに考えてしまいそうですが、玄関が位置する方角や季節が影響し、思ったよりも光が入らない……なんて後悔の声も、少なくありません。日中でも照明が必要なレベルの玄関だと、電気代もかさみ、お出かけ時・帰宅の際、暗い玄関にどんよりとした気持ちになってしまいます……。

玄関周りの間取り、失敗・後悔ポイント③収納が足りない!

靴をはじめ、傘などの雨具・お子さんの外遊びセット、車用品……。人目につく場所にも関わらず、玄関に置いておきたい品って 実に多いですよね。玄関周りの収納スペースが心もとないと、散らかりやすい玄関になってしまいます!

玄関周りの間取り、失敗・後悔ポイント④玄関からトイレが丸見え

音・においの影響を鑑み 注文住宅では、リビングや寝室から離れた位置に設計されるケースが多いトイレ。しかし こちらの間取りのように、玄関の目の前にレイアウトしてしまうと、トイレへ出入りする際に中が丸見えに! 宅配業者やご近所の住人といった「玄関先で済ませる来客」の際、気まずい思いをしてしまうことに……。

玄関周りの間取り、失敗・後悔ポイント⑤手洗い場まで遠い

帰宅後のルーティンと言えば、手洗い・うがい。ですが こちらの注文住宅間取りのように、玄関から洗面所まで距離があると、そんな基本的なエチケットも疎かになりかねません。加えて、洗面所と脱衣所が一緒になった間取りの場合、洗濯物をゲストに見られるのはちょっと恥ずかしい……なんて失敗談も度々耳にします。

玄関周りの間取り、失敗・後悔ポイント⑥キッチンまで遠い

購入した食品・日用品の運び込み、回収日に合わせたゴミ出し、ゲストやご家族の出迎えなど……。注文住宅での暮らしの中でも、玄関～キッチンは日に何度も往復する区間だと言えます。玄関からキッチンへの動線を考慮せずに間取りを設計してしまうと、家事が思うように進まない、暮らしにくい注文住宅に!

2.小さな工夫で暮らしやすく! 間取り改善案その①

さて、前項でご紹介した注文住宅間取りは失敗だらけに思えますが、少しの手直しで暮らしやすさが格段にアップします。他の部屋・各収納のサイズダウンを極力避けつつ、6つの変更を加えてみました。それぞれ、詳しく解説致します!

間取り変更点①斜めの框(かまち)で土間を広げる

まずは、2人で並んで立っても手狭にならないよう、土間部分を畳1枚～2枚弱の広さに広げています。間取りを大きく変更せずとも、框(かまち)を斜めに設置することで、土間スペースの拡大を実現しました。

💡ワンポイント：框(かまち)とは?

段差部分に、横向きに取り付けられる部材を指します。玄関部分の框は「上がり框(あがりかまち)」と呼ばれ、耐久性のある木材のほか、石やタイルが用いられるケースも! 

間取り変更点②小窓で明るい玄関に

小さめでも良いので、玄関に明かりとり用の窓を設置すると◎ 自然光が入り込み、日中は照明要らずの玄関に仕上げてくれます。高い位置の小窓は開放的な雰囲気に、低い位置の小窓はおしゃれな玄関を演出してくれるでしょう! なお、型ガラスやフロストガラスといった水に濡れても透けにくい素材の窓ガラスを用いると、安心ですよ♪

間取り変更点③靴箱を増やして収納力UP!

造作(ぞうさく)と呼ばれるオーダーメイド収納を、注文住宅では依頼可能です。扉付きの靴箱なら、より整った玄関に。扉なしの靴箱なら、においや湿気のこもりにくい収納に。さらに、棚板の高さを変えられる靴箱をお願いすると、筒の長いブーツや長靴もスッキリ収納出来ます! カー用品やお子さんの外遊びグッズも、一緒に収納OKなのも大きなメリットと言えますね。

間取り変更点④トイレの出入口を変更し見えにくく

先述の靴箱追加により、玄関からトイレが見えにくくなりました。トイレへ出入りする際も、個室内が玄関先の人の目に入りません。さらに、引き戸から開き戸へ変更することで、密閉感や防音性も向上しています。

間取り変更点⑤手洗い用ミニ水栓で清潔に

洗面所とは別に、手洗い専用のミニ水栓を間取りに追加。お子さんの、帰宅後すぐの手洗いが習慣づけしやすくなるでしょう。加えて、洗面脱衣所までゲストの足が及ぶことも無くなるため、生活感を見せずに おもてなしが可能に!

間取り変更点⑥勝手口からキッチンへ直接アクセス

玄関とは別に勝手口を設け、キッチンへ直接アクセス出来るようにしました。これにより、買い出し品の運び入れや、ゴミ出しなどが格段にスムーズに! さらに、駐車場を勝手口そばに設計すると、より家事の効率化が叶うでしょう♪

3.動線整備・収納強化! 間取り改善案その②

もっと暮らしやすく・さらに居心地良く! そんな玄関間取りをお望みならば、家事動線や生活動線を意識した、間取りの手直しが有効です。6つの変更点を、それぞれご紹介致します。

間取り変更点①&③土間を広くしシューズクロークを設計

土足で出入りできる土間部分を広げ、シューズクロークを設計しました。お子さんが運動部だったり、アウトドア趣味をお持ちの方へ、ぜひオススメしたい間取りとなります。出入口を複数設けたウォークスルー型のシューズクロークにすることで、収納力とともに通気性も向上しています。なお、土間・ウォークスルー型シューズクロークの広さは、合わせて畳3枚～4枚ほどのスペースを確保すると、使い勝手◎

間取り変更点②明かりとり用の小窓を設置

コンパクトでも良いので、明かりとり用の窓を設置すると、昼間は照明不要な玄関へと生まれ変わります! 高い位置の窓は、陽が低い冬場でも採光が期待出来、低い位置の窓はお手入れが簡単にこなせるでしょう。なお  水に濡れても透けにくい、型ガラスやフロストガラスといった素材の窓ガラスを用いると、防犯面も安心です。

間取り変更点④トイレの位置を変更

ウォークスルー型シューズクロークの追加に合わせ、トイレの位置を変更しています。浴室と並んだ配置は、日々のお掃除をスムーズに進行可能に。また間取り上、トイレに出入りする時 玄関からトイレの中が丸見え……なんて、バツが悪い思いをすることもありません。

間取り変更点⑤手洗い用ミニ水栓で衛生的に

玄関すぐの場所かつトイレに隣接する形で、手洗い用のミニ水栓を設置。これにより、帰宅後の手洗い習慣が、家族みんなに身につきます。お客様にも使ってもらえる手洗い場のため、生活感の出やすい洗面脱衣所を見せることも無くなるでしょう!

間取り変更点⑥シューズクローク~パントリー~キッチンの動線

シューズクロークと同じく、パントリーもウォークスルー型に変更し、玄関からキッチンへのアクセス方法を増やしています。常温でストックしておきたい食品・日用品はパントリーへ、生鮮食品・冷凍食品はキッチンへ……と、買い出し品を円滑かつスピーディーに収納可能に。

💡ワンポイント：パントリーをファミリークローゼットへ変更しても◎

ファミリークローゼットとは、注文住宅のオプションのひとつ。ほとんどの場合、ご家族全員の衣類を ひと部屋にまとめて収納するために、オーダーされます。シューズクロークの隣りにファミリークローゼットを設ける場合は、コートなどのアウター・帽子・バッグといった、お出かけグッズを収納するのがオススメです。ライフスタイルや家族構成によっては、パントリーよりも役立つ収納部屋となるでしょう!