2022.05.12
注文住宅のメリット・デメリットを解説!建売との違いも!【基礎知識】
新築一戸建てを買い求める際、たびたび目にする「注文住宅」というワード。注文住宅=自由度が高い……とは聞くものの、どの部分まで自由に設計出来るのか、建売住宅(たてうりじゅうたく)との違いは何か、ご存じない方も多いのではないでしょうか?
今回は、注文住宅の定義からメリット・デメリットの解説、建売住宅との違いもあわせてご紹介いたします!「賃貸マンション・アパートから一戸建てへの住み替えを検討している」方や「注文住宅と建売住宅で比較・検討したい」とお考えの方、こちらの記事をゼヒご参考ください♪
目次
1.そもそも注文住宅とは?
■注文住宅とは
土地から間取り、家を建てる際に使用する建築材や室内の設備など、ご自身の希望・生活スタイルに添って、計画・建築する一戸建てを指します。なお、注文住宅の中にも、大きく分けて「フルオーダー住宅」と「セミオーダー住宅」の2種類があります。
■フルオーダー住宅とは
家の見た目や間取り・設備や構造など、全ての仕様を自由に組み立てていくスタイルになります。
■セミオーダー住宅とは
建設会社があらかじめ、家の仕様・スペックを複数パターン用意します。その中から、お好みの間取りや必要な設備、気に入ったデザインなどをチョイスしていく形式になります。
■建売住宅(たてうりじゅうたく)とは
分譲住宅(ぶんじょうじゅうたく)とも呼ばれており、土地と一戸建てがセットで販売されている住宅を指します。完成した一戸建てをそのまま購入するケースや、建設中・あるいは建設前の土地だけの状態で売りに出されているケースも!
2.注文住宅のメリット①土地からこだわることが出来る!
注文住宅は、お好みの条件をもとに土地選びからこだわることが出来ます!
ご自身・ご家族の通勤や通学を考えるなら、幹線道路近くの土地や、JR・大手私鉄が乗り入れるターミナル駅の付近の土地を。落ち着いた住環境を求めるならば、閑静な住宅街や大きな公園がある地域、自然にあふれた郊外の土地を。出産の予定があったり育児に力を入れたい場合は、子育て支援が手厚い自治体の土地を求めるのも、1つの手段です!
「注文住宅で実際に暮らしている状況」をイメージしながら土地を選ぶと、住みやすさが格段に変わりますよ♪
いっぽう建売住宅(分譲住宅)は、一戸建てと土地をセットで買い求めるようになるため、主要駅の近くの物件を探す・治安の良い地域で住宅を探す……といった選び方となります。
3.注文住宅のメリット②ハウスメーカーもお好きなところで
注文住宅で新築一戸建てを建てる際は、ハウスメーカーも好きな会社を選択出来ます!
ハウスメーカーとひと口に言っても、全国各地で手広く展開している建設会社から、建築家が営む設計事務所、地域に根差した昔ながらの工務店まで様々。
しかしハウスメーカーごとに、住宅の耐震性はもちろん、熱への対抗力を示す「断熱性能(だんねつせいのう)」に違いがあったり、住まいのスキマを少なくし 外気の出入りを減らした「気密性(きみつせい)」の基準が異なるケースも!
基本的な住宅性能を比較しつつ、状況に応じて相見積もりを取りながら、ご自身・ご家族の要望を叶えてくれる会社をチョイスすると、居心地の良い一戸建てとなりますよ♪ もちろん、家づくりのパートナーとなるハウスメーカー担当者との相性も要チェックです!
かたや建売住宅(分譲住宅)だと、ハウスメーカーから選ぶと言うより、駅チカや住環境といった、立地を最優先に物件を選択するパターンがほとんど。ですが、立地が良いだけで建売住宅を選ぶのは要注意!
ハウスメーカーによっては、アフターサービスの範囲や期間が異なったり、光熱費などの「住んでからかかる費用」まで配慮した建売住宅を販売しているケースもあります。土地自体の住みやすさに加え、これらも検討ポイントとして抑えると、後悔の少ない一戸建て暮らしが叶いますよ♪
4.注文住宅のメリット③ライフスタイルに合わせた間取りの実現
注文住宅最大のメリットと言えば、自由度の高い間取り。「生活スタイルに合わせた家」を作ることが出来るため、満足度の高いマイホームに仕上がります!
お料理好きなら広いキッチンを、読書が趣味なら書斎や書庫を、楽器を持っていたり映画鑑賞をしたいなら防音性に優れた地下室を……と、ご家族それぞれの趣味をベースとした間取り設計が叶います! また、毎日の炊事や洗濯・お掃除をスムーズに行える、家事動線に配慮した間取りも実現OK♪
それに対し建売住宅(分譲住宅)は、建設中・建設前の土地だけの状態でも間取りは決まっているため、「家に生活スタイルを合わせる」ことになります。後から購入する家具や家電などで、住み心地をアップさせていく方針に……。
5.注文住宅のメリット④デザインや建築仕様だって希望通りに
外観はもちろん、内装のデザインや建築材まで選択可能なのも、注文住宅が持つ大きなメリットだと言えます。
「ヨーロッパを思わせる、レンガづくりの家に住むのが長年の夢」「絵本に出てくるようなメルヘンな家が欲しい」「カフェっぽいおしゃれな内装の家が良い」「ホテルみたいな雰囲気にしたい」……これら全てが、注文住宅ならば叶います!
いっぽう建売住宅(分譲住宅)は、一戸建ての見た目や内装・建築材など あらかじめ決まっているため、変更がききません。ただし建築前・建築途中の建売住宅だと、外壁の塗装の色や壁紙といった構造などに関与しない場所なら、ハウスメーカーによっては要望に応えてくれるケースも!
6.注文住宅のメリット⑤建築現場・建築過程が確認でき安心
多くの場合、人生に1度の買い物となるマイホーム。長く、安全に、そして快適に住めるのか……暮らし始める前に知りたいところですよね。
注文住宅は、一戸建ての土台となる基礎部分の工事はもちろん、骨組みの段階や 壁内工事の際も立ち会い可能です! 建築現場・建築過程を実際に目で確認、疑問点なども現場のスタッフに質問出来るため、納得のいく住まいになりやすいと言えます。
かたや建売住宅(分譲住宅)は、完成済みの物件だと外観・内装はチェック可能ですが、基礎部分や壁内は確かめることが出来ません。ただし ハウスメーカーによっては、建築過程をWEBに掲載していたり、内覧会・見学会で説明してくれる場合もあります!
💡ワンポイント:注文住宅でチェックしたい、建築現場・建築過程3つ
①基礎工事
基礎工事は地面と家を繋げる役割を担っており、鉄筋とコンクリートで構成されています。耐震性に大きく関わる部分となるため、「鉄筋どうしの間隔にバラつきが無いか」「コンクリート部分のヒビの有無」を、建築現場でしっかり確認しましょう!
②断熱加工
一戸建ての住みやすさを左右する断熱加工。断熱材と柱の間にスキマ、あるいは断熱材どうしにスキマがあると、暑さ・寒さに弱い注文住宅となってしまいます。壁はもちろん、屋根の断熱加工も立ち会ってキッチリ確認すると◎
③気密測定
断熱性能とともに、重視したいのが気密性。「気密性が低い家」はスキマが多く、外から暑い空気・寒い空気が流れ込むばかりか、室内の快適な空気まで外へ逃がしてしまいます。
スキマの多い家と聞くと 築年数の経った古い家屋が思い浮かびますが、新築の注文住宅であっても油断は禁物! 建築時にスキマを埋める施工をしていないと、窓の周囲や床と壁のつぎ目・コンセントなどから、空気の出入りが発生してしまうことに……。
せっかくの注文住宅で落胆しないためにも、スキマを埋める加工がバッチリ行われたか、専用機器を用いて検査する「気密測定」で確かめるようにしましょう!
なお、住まいのスキマは「C値」と呼ばれる「相当隙間面積」で表すことが出来ます。このC値は1.0を目安に、数値が0に近いほど気密性が高い家といえます!
7.注文住宅のデメリット①入居まで時間がかかる
注文住宅のデメリットの1つが、入居までに時間がかかること。
建売住宅(分譲住宅)と比較すると自由度が高い分、家づくりに費やす期間も、おおよそ11ヵ月~1年2ヵ月と時間を要します。
11ヵ月~1年2ヵ月のザックリとした内訳を申し上げると、土地探しからハウスメーカー選びに約3~4ヵ月。間取りや外観・内装のデザイン決めなど、約8~10ヵ月はかかるパターンが多い模様です。もちろん、趣向を凝らせば凝らすほど 注文住宅の完成までに時間を要するため、目安である1年2ヵ月以上を超えるケースも!
それに比べ建売住宅は、すでに完成してる物件へ引っ越すため、住宅ローンの手続きなどを含めても、最短1ヵ月半ほどで入居出来ます。建設前・建設途中の建売住宅であっても 工事のスケジュールは決まっているため、入居までに大幅な遅れが出ることは 少ないでしょう。
8.注文住宅のデメリット②完成まで仕上がりが分からない
完成済みの建売住宅(分譲住宅)の場合、内覧会や見学会で外観や内装のチェックが出来ます。それに対し、実際に完成するまで 仕上がりの状態が思い描きにくいデメリットを持つ注文住宅。
せっかく希望を盛り込んだ注文住宅を建てたのに「仕上がりが想像と違う!」「住んでみたら動線が悪く感じる」……なんてガッカリしないためにも、ハウスメーカー選びが重要なポイントとなって参ります!
施工事例をもとにイメージ画像を用意してくれたり、動線のシミュレーションを行ってくれる会社を選択すると、後悔のない注文住宅に仕上がりますよ♪
またハウスメーカーによっては、自社の強みを体感できるショールームを展開していたり、宿泊体験などで住み心地を実感できるケースも!
さらに、納得・了承しないまま「完成しました」と引き渡すハウスメーカーだと、住んでからもモヤモヤは残ったまま。注文住宅完成時に、ご自身・ご家族の立会いチェックが可能なハウスメーカーを選ぶと、より安心と言えます!
9.注文住宅のデメリット③コストが高い
注文住宅と建売住宅(分譲住宅)を、全く同じ広さ・間取りで比較した場合、注文住宅の方がコストが高くなる傾向にあります。とは言え、注文住宅でも予算のコントロールは可能です!
キッチン・トイレ・浴室などの いわゆる水回りを 出来る限り近い配置でまとめると、配水管工事が簡素化されコストダウンに。また、高価な床材・壁材は部分使いにするなど、メリハリをつけた素材選びで、費用を割く箇所と抑える箇所を分けることができます。
💡ワンポイント:注文住宅が建売住宅よりコスト高になる理由とは?
オーダーメイドの家になる注文住宅に対し、建売住宅は、同じような家を短期間・複数同時に建てるパターンがほとんど。効率よく家を作るために、「家の間取り・デザイン・仕様」を全て固めた状態で建築にあたります。
そのため、建売住宅は間取り・内装や外装・設備に関する打ち合わせが不要となり、工期も短く済むため、注文住宅より人件費を削減できます。また注文住宅は、細かな要望を叶える家づくりが基本となります。そのため、床や壁などの建築素材、キッチン・浴槽といった住宅設備に至るまで、個別に発注・仕入れを行うことに……。
それに引きかえ建売住宅は、ハウスメーカーが同じ建材・設備をまとめて仕入れできるため、建築材・設備共に安く手配することが出来ます。
これら「間取り・デザイン・仕様の規格化」によって、建売住宅はコストを抑えられる反面、独自性を出しにくい家に。それに比べ注文住宅は アイデアを詰め込める分、コストがかかる傾向にあります。
参考に、これまでに解説した注文住宅と建売住宅(分譲住宅)との比較もまとめてみました!
注文住宅 | 建売住宅(分譲住宅) | |
土地 | 選べる・自分で探せる | 土地と家をセットで購入 |
ハウスメーカー | 選べる | 選べない |
間取り | 自由に設計 | 選べない |
デザイン・建築仕様 | 外観も内装も選べる | 選べない |
建築現場の確認 | 基礎からチェック可能 | 出来ない |
入居までの期間 | 11ヵ月~1年2ヵ月 | 最短1ヵ月 |
完成イメージ | シミュレーション必要 | 完成済みを見れる |
コスト | こだわりに応じて変動する | 注文住宅よりは割安 |
注文住宅のメリットとデメリット、建売住宅との違いを解説しました。マンション・アパートから一戸建てへの住み替えを考えている方にとっても、建売住宅(分譲住宅)と注文住宅どちらにするかお悩みの方にとっても、こちらの記事が参考になれば幸いです!
◆注文住宅のメリット
☑通勤・通学・周辺環境など、希望に沿った土地を選ぶことが出来る
☑好きなハウスメーカーへの依頼が可能
☑ライフスタイルに合わせた、自由な間取り設計
☑オリジナリティのある外観・おしゃれなデザインの内装に
☑建築現場・建築過程が確認でき安心
◆注文住宅のデメリット
☑入居まで時間がかかる
☑完成まで仕上がりが分からない
☑こだわりに応じてコスト高に
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津田 洋平(一級建築士)
悠悠ホーム株式会社 建築プランナー
家は、お客様にとっては人生最大のお買い物。
建築プランナーの仕事はそんなマイホームに託すお客様の「夢」を図面化すること。
打合せの際には、建築士としてのプロの目と、住む人の目線に立って考えることを大切にしています。
満足いただけるよう一軒一軒が真剣勝負だと思って、ご提案とご説明を尽くすことを心掛けています。
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