2022.04.12
平屋一戸建てに必要な土地の広さ・坪数とは?間取り・人数別にご紹介♪
段差が少ないバリアフリーなつくりにより 年齢を重ねても安心して住める住宅として、関心の高まる平屋建て。「平屋に憧れはあるけれど、そもそもどの程度の広さの土地が必要なの?」「住む人数に合わせた平屋が欲しいけれど、間取りのイメージがつかない……。」
そんな疑問を持つ方のために、今回は平屋に必要な坪数・広さを解説するとともに、人数と坪数を組み合わせたオススメの間取りもあわせてご紹介いたします!新築の平屋建てをお考えの方も、建て替えにコンパクトな平屋を検討されている方も、ぜひご参考ください♪
1.データで見る!マイホームに必要な坪数とは?
マイホームを建てるには、まずは土地が必要。とは言うものの、果たして何坪必要なのでしょうか?住宅金融支援機構が発行している「フラット35利用者調査(2020年)」によると、一戸建ての面積は 注文住宅だと37.63坪(124.4㎡/平米)、土地付き注文住宅だと33.61坪(111.1㎡/平米)、そして建て売り住宅では30.58坪(101.1㎡/平米)を、全国平均として公表しています。
戸建て住宅の面積 全国平均(2020年)
戸建てタイプ | 実際に住む坪数 | 面積換算 | 畳換算(目安) |
注文住宅 | 37.63坪 | 124.4㎡ | 80.36畳 |
土地付き注文住宅 | 33.61坪 | 111.1㎡ | 71.77畳 |
建て売り住宅 | 30.58坪 | 101.1㎡ | 65.3畳 |
一戸建てとなると、家族の団らんを叶える広々としたリビングや、お子さんの成長を見すえた子供部屋、はたまた駐車場やお庭といった 理想を盛り込むため、平均30坪以上の面積が主流になっている様子です。
💡ワンポイント: ㎡(平方メートル)・畳(じょう)って?
小学生の時に習った覚えのある、平方メートル。平米(へいべい)とも呼ばれ、住まいの広さを表す数値として使われます。1人暮らし向けのワンルームマンションだと、20平米から30平米の広さが主流となります。
畳(じょう)は、言葉通り畳を敷いたときに何枚になるかを表した、同じく住まいの広さを表す数値です。「帖(じょう)」と表記されることもあり、1畳はシングルベッドより少し大きいサイズ感となります。平方メートルより面積のイメージがつきやすいですが、地域によって畳の種類が異なるため1畳の広さも変わってきます。
2.平屋検討時に知っておきたい「建ぺい率」と「容積率」
「土地が30坪あれば30坪のマイホームを、土地が50坪あれば50坪のマイホームを建てられる」……なんて シンプルに考えてしまいがちですが、家を建てる際は建ぺい率(けんぺいりつ)に加え、容積率(ようせきりつ)と呼ばれる 建築基準法が関わってまいります!
建ぺい率を極端に説明すると「その土地に対してどの程度の広さの家を建てられるか?」を示した数値です。計算方法は「建築面積(建物を真上から見たときの面積)㎡ ÷ 土地全体の面積㎡ × 100 = 建ぺい率(%) 」となります。
また、容積率は「その土地に建てることの出来る、延べ床面積(のべゆかめんせき)の割合」を指します。容積率の計算方法は「延べ床面積㎡ ÷ 土地全体の面積㎡ × 100 = 容積率(%) 」となります。
※「延べ床面積」とは、建物各階の床面積の合計のこと。
3.平屋建てに必要な土地の広さ・坪数とは?
注文住宅をお考えの方の多くから「平屋って100坪ぐらいの土地じゃないと、建てられないんじゃないの?」といったご質問をいただきますが、実はもっと少ない坪数でも平屋建てを実現できます!
一緒に暮らす人数や間取り・1部屋ごとの広さにもよりますが、先ほど述べた建ぺい率・容積率の兼ね合いも踏まえると、平屋建てに必要な最低限の坪数は【50坪前後】だと言えます。
もちろん、建築予定の地域によって建ぺい率・容積率は異なりますので、50坪より狭い・あるいは50坪より広い土地が必要になる事例もあります。土地をお探しの際、しっかり下調べすることをお忘れなく!
💡ワンポイント:建ぺい率・容積率を50坪の土地に反映させると?
都道府県やお住まいの地域にもよりますが、一般的な住宅地は「建ぺい率60%・容積率200%」や「建ぺい率40%・容積率60%」がスタンダード。では、これらを「50坪の土地に平屋を建てる」と考えた場合、実際に住める広さ・畳数はどうなるのでしょうか?
50坪の土地 | 実際に住む坪数(建坪) | 平屋の延べ床面積 | 畳換算 |
建ぺい率60% 容積率200% |
約30坪 | 99.17㎡ | 約64 畳 |
建ぺい率40% 容積率60% |
約20坪 | 66.1㎡ | 約42.7畳 |
実際に住む坪数が30坪なら、3人~4人のご家族が程よく過ごせる平屋建てが叶いそうですね♪ 20坪となると今度は よりコンパクトな住まいとなるため、ご夫婦2人や ご夫婦にお子さん1人といった少なめの人数で、シンプルな暮らしが実現できそうです。
4.人数×広さ別!オススメの平屋間取り
実例をもとに、住まう人数と広さ別にオススメの間取りをご紹介します♪
◆2人暮らしにオススメの平屋間取り
ご夫婦・パートナーとの2人暮らしや、建て替えに小さめの平屋を検討されている方
住む坪数(建坪) | 延べ床面積 | 間取り |
20.53坪 | 67.9㎡ | 1LDK |
■2人暮らし平屋:間取りのポイント
①必要な部屋・設備だけでシンプルに暮らせる
広いお家や2階建ての住まいは、老後になると持て余す傾向に。。また、ご夫婦2人だけの暮らしだと部屋数の多さや過剰な設備は、動線を悪くしたり掃除などの要らぬ家事を増やすことに。
開放感のある広さのリビングダイニングキッチン(LDK)を備えたら、あとは寝室のみといったシンプルな間取りにすることで、物置になるような部屋も生まず動線も効率化できます!
コンパクトなつくりの平屋は、働き盛りから老後まで2人で住む家としても、子育てを遂げた後の終のすみかとしても、ちょうど良い住まいだと言えますね♪
②ウォークインクローゼットで収納家具を減らす
小さな平屋と言えども、2人分の服が収納できるウォークインクローゼットを備えると、季節ごとの面倒な衣替えが不要になり、家事をラクに出来ます!タンスやハンガーラック、衣装ケースなどの収納家具も減らせるため、無駄も省け動線がよりスッキリします。
③ウッドデッキで生活に彩りを
せっかく平屋を建てるなら、大きめのウッドデッキを設けて四季を楽しめる平屋にするのも◎ウッドデッキのスペースを利用して、ガーデン家具を並べた第2のリビングにしたり、プランターを用いて家庭菜園を作ったりなど活用方法は様々。アパート・マンション暮らしとは一線を画した日々を実現できます!
◆3人暮らし~4人暮らしにオススメの平屋間取り
ご夫婦とお子さん1人もしくは2人、ご夫婦とご両親など
実際に住む坪数(建坪) | 延べ床面積 | 間取り延べ床面積 |
28.42坪 | 93.98㎡ | 3LDK |
■3人〜4人暮らし平屋:間取りのポイント
①リビング経由の間取りで家族の顔が見える住まいに
平屋のメリットと言えば、ワンフロアに生活の全てが収まるため、家族間のコミュニケーションが取りやすいところ。しかし、間取りが込み入ってしまうとせっかくのメリットを潰しかねません。
玄関からリビングへそのまま繋がる間取りにすると、お子さんが出かける時も帰ってきた時も、子供部屋までリビングを経由する動線となります。お互いの存在を常に感じることが出来、安心な空間を実現出来ますよ♪
②クローゼットとパントリーで散らからない家に
憧れの平屋が出来上がった当初はこざっぱりしたモデルルームのような部屋だったのに、住む年数が増え・家族が増え、気がつけばものが溢れる住まいに……。
散らからない部屋作りのためには、ご夫婦の寝室・子供部屋それぞれに、クローゼットを備えつけるのがベストだと考えます! あらかじめ収納スペースが各個室にあることで、共有空間であるリビングまで散らかりにくく。
また、キッチン横にパントリーを設けるのも◎。調味料や常温食料品のストック置き場として……土鍋などのシーズンものの調理器具・時々しか使わないホットプレートなど、場所を取るのに置き場に困る品々を保管する場所として……パントリーがあれば、毎日の家事・炊事の助けになること間違いありません!
③学ぶ・働くスペースを作りメリハリを
小学生ぐらいのお子さんだと 自室で1人、宿題や勉強に打ち込むのは中々難しいもの。かと言ってリビングでの勉強は、集中力が長く続かない……。
お子さんがいるご家族の場合、書斎や大きめのカウンターなどを設け そこをスタディスペースにするのがGOOD。親御さんの目も届きますし、子供たちも分からない個所をすぐに質問する習慣が身に付きます。もちろん、テレワークなどの在宅勤務の場としても活用できますので、家族それぞれが「勤しむタイミング」と「寛ぐタイミング」を分けることが叶いますよ!
◆4人暮らし~5人暮らしにオススメの平屋間取り
ご夫婦とお子さん2人もしくはご両親、あるいはお子さん2人とご両親のいずれかと一緒に暮らす場合など
実際に住む坪数(建坪) | 延べ床面積 | 間取り |
35.06坪 | 115.93㎡ | 4LDK |
■4人〜5人暮らし平屋:間取りのポイント
①ランドリールームから繋がる間取りで家事時短
4人家族~5人家族ともなると、洗濯や炊事に多くの時間を費やす毎日に……。日々の家事を少しでも楽に・時短で済ませるためには、家事動線を意識した間取りが必須となって参ります。
そもそも平屋は家事動線の効率化がしやすい住まい。それに加えランドリールームがあるともっと、家事ラクを実現できます! 室内干しも出来るスペースも備えたランドリールームは、流れるような洗濯動線に♪ さらに、ランドリールームから浴室・リビングなどへ繋がる間取りにすると、お掃除やお片付けもまとめて円滑に取り組めます。
②個室のクローゼット+ファミリークローゼットで片付いたお家に
一戸建てと言えども、家族が増えたりお子さんの成長に伴って、レジャー用品や洋服・雑貨などが増え、追々ものの置き場に苦労することも……。また、荷物が増えた後に キャビネットやタンスなどの収納家具を導入すると、個室もリビングも手狭になりますし、ものが溢れる雑多な印象に。
そんな先行きの憂いは、各個室へのクローゼットに加え、家族共用のファミリークローゼットが解決してくれます!
それぞれのお洋服やインナーウェアは個室のクローゼットに、アウターや帽子など お出かけの際に着用するグッズはファミリークローゼットでまとめて管理……と、服たちの定位置を決めることで、整理整頓の行き届いた平屋暮らしに!
さらに、高いところの掃除や電球の交換などに使う踏み台、レジャーやスポーツ観戦・運動部の応援に大活躍なクーラーボックス、見える位置には置いておきたくない掃除用品など、生活に無くてはならない品々も、ファミリークローゼットで管理収納出来ちゃいます♪
③臨機応変な畳の間
お子さんが小さい時はフローリングだと怪我をしそうで怖い……ご両親のいずれかと一緒に住むことになったけれど部屋が足りない……。
そんな有りがちなライフスタイルの変化に、柔軟に対応出来るのが畳の間。
フローリングに比べ畳は柔らかい質感のため、お子さんの万が一の転倒にも備えることができます。遊び場としての活用も◎また、間仕切り扉をつけると個室としても利用出来るため、寝室やゲストの滞在スペースとしても活躍してくれます。
5.注文住宅でよくあるご要望は小さな平屋でも実現可能?
土地は限られているけれど、せっかくのマイホームなら出来るだけ理想を取り入れたい! そんなお悩みを解決すべく、注文住宅の「よくあるご要望」が 小さい平屋でも実現できるのか、ご案内します。
■これが欲しい!その① プライベートな空間
2階建てと比較すると、建ぺい率・容積率の関係から居住スペースが狭くなってしまう平屋……。そんな平屋でも、1部屋追加したい場合や 趣味やプライベートな空間が欲しい場合は、プラスアルファで【地下室】を盛り込むのも1つの手段です!
ご説明した容積率ですが、条件を満たすことで緩和されるケースがあります。地下室に課される条件は「地階であること」「天井が地盤面から高さ1m以下であること」「住宅の用途に供する部分であること」の3つ。これら3つの条件をクリアすれば、住まいの「延べ床面積の1/3まで」は容積率にカウントしなくて良いんです!
50坪の土地 | 平屋(1F) |
建てて良い 延べ床面積 |
地下室 | ||
実際に住む坪数(建坪) | 作ってOKな坪数 | 延べ床面積 | 畳換算 | ||
建ぺい率60% 容積率200% |
約30坪 | 330.5㎡ | 約 10 坪 | 約33.㎡ |
約21.3 畳 |
建ぺい率40% 容積率60% |
約20坪 | 99.1㎡ | 約 6.6 坪 | 約 21.8 ㎡ | 約 14 畳 |
一般的な住宅地で設定されている「建ぺい率60%・容積率200%」あるいは「建ぺい率40%・容積率60%」を前提に、「50坪の土地に地下室付きの平屋を建てる」場合、1部屋~2部屋程度は増やせそうなスペースが生まれます♪
しかしながら、地下室と聞くと長く暗い階段を降りるイメージ……。長い階段があると、せっかくの平屋の利点が無くなりそうに思えますが、こちらの緩和ルールは半地下であっても適用OK! 半地下でしたら、わずかな階段で地下室へのアクセスが叶います。
■コレが欲しい!その② 駐車場
駐車場の使用権が抽選式だったり、空いてる月極駐車場は距離が遠かったり……。マンション・アパート住まいでは、自家用車を停めておくだけでも一苦労。せっかく平屋を建てるなら、敷地内に1台ぐらいは駐車スペースが欲しいですよね。
コンパクトな平屋でも、5坪~6坪の土地があれば、ドアの開閉や車を買い替えても安心して車を停められる駐車場を作ることが出来ます。玄関へのアクセスがしやすい場所に駐車場を作ると、人の乗り降りや荷物の出し入れが格段にスムーズになりますよ☆
■コレが欲しい!その③ お庭
マンション・アパートといった集合住宅では、なかなか叶えられないお庭。小さな平屋でも、駐車場と同じく5坪程度あれば、4人でお家BBQ出来る広さの庭が実現可能です!
お手軽サイズであっても、お庭がある平屋は日当たりが良くなり、またお子さんやペットの遊び場としても活用することが出来ます◎家族の憩いの場としても、ひと息つく寛ぎの場としても重宝しそうですね♪
その他、テラス・バルコニーや たっぷり収納など、注文住宅に求められる希望は数多くありますが、ライフスタイルや一緒に暮らす人数・土地の広さにより、叶えられる要望は異なってまいります。条件を出しあいつつ予算とも兼ね合いつつ、ハウスメーカー・ハウスプランナーへ相談することが、理想の平屋への近道だと考えます!
☑平屋建てに必要な土地の広さは50坪前後
☑建ぺい率・容積率があるため「土地の広さ=平屋住宅の広さ」にはならない!
☑2人暮らしの平屋なら、住む広さは20坪~が過ごしやすい
☑3人で暮らす平屋だと、住む広さは25坪以上は必要!
☑4人~5人で生活する平屋は、住む広さは35坪~は欲しい
平屋一戸建てに必要な土地の広さ・坪数の解説、また人数別のオススメ間取りについてご紹介いたしました。こちらの記事が、土地探しの材料や間取りイメージの一助となれば幸いです♪
▼福岡・佐賀・熊本エリアに建築をご検討中の方限定!
※家づくりにおいて大切なのは「理想の間取りプラン」をかためること。
「自分たちの理想を形にしたらどんな家になるの?」
「なんとなくの希望はあるものの、具体的な間取りが想像できない」
という方は、プロの設計士が理想の間取りを提案してくれる新サービスを活用しましょう!
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津田 洋平(一級建築士)
悠悠ホーム株式会社 建築プランナー
家は、お客様にとっては人生最大のお買い物。
建築プランナーの仕事はそんなマイホームに託すお客様の「夢」を図面化すること。
打合せの際には、建築士としてのプロの目と、住む人の目線に立って考えることを大切にしています。
満足いただけるよう一軒一軒が真剣勝負だと思って、ご提案とご説明を尽くすことを心掛けています。
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